1からのマーケティング・デザイン 石井淳蔵・廣田章光・坂田隆文(編著)

考えてみよう・次に読んで欲しい本・参考文献をご案内しています。

第1章 マーケティング発想法―ニューコークとタイド

考えてみよう

  1. セオドア・レビットは、「アメリカの鉄道会社が滅んでいったのは、自身の会社を「鉄道」と定義したからだ」と言う。「輸送」と定義すべきだったと言うのだ。どうしてだろうか。
  2. ポカリスウェットは、日本ではコカ・コーラと並ぶ有名飲料だ。ポカリスウェットの「性能」はなにか。また、それは、どのような「価値」を消費者に対して訴求してきたのか。調べてみよう。
  3. タイド・コールドウォーターのように、性能を新しい価値に結びつけて成功したケースを探してみよう。

次に読んで欲しい本

第2章 マーケティング・ミックスによる顧客創造―ネスレ日本 キットカット

考えてみよう

  1. あなたが「キットカット」で体験したことをあげてみよう。このうち、他のチョコレート菓子では得られなかった体験をあげ、それが体験できた理由を考えてみよう。
  2. 最近のヒット商品で関心のあるものを取り上げ、どのようなマーケティング・ミックス(4P)が行われているかを考えてみよう。
  3. 従来からある商品のうち、「キットカット」のように、新たなマーケティング・ミックス(4P)を行うことで顧客創造されたと思われる商品を考えてみよう。

次に読んで欲しい本

  • 石井淳蔵『マーケティングを学ぶ』ちくま新書、2010年
  • フィリップ・コトラー、ゲアリー・アームストロング『コトラーのマーケティング入門』丸善出版、2014年

参考文献

  • 関橋英作『チーム・キットカットのきっと勝つマーケティング』ダイヤモンド社、2007年
  • 高岡浩三『ゲームのルールを変えろ―ネスレ日本トップが明かす新・日本的経営』ダイヤモンド社、2013年

第3章 製品による顧客創造―カモ井加工紙株式会社 マスキングテープ「mt」

考えてみよう

  1. カモ井加工紙の「mt」のウェブサイトと、同社あるいは他社の産業用途のマスキングテープのウェブサイトを確認し、内容にどのような違いがあるかを調べてみよう。
  2. 価値共創とは、どのようなものかについて、自分の言葉で説明してみよう。
  3. ユーザーとの価値共創造、もしくはユーザーイノベーションの具体的な事例をとりあげ、それに関わるユーザーたちは、なぜ価値創造プロセスに参加をしているのか、企業はどのような取り組みをしているのかを調べてみよう。

次に読んで欲しい本

参考文献

  • 延岡健太郎『製品開発の知識』日本経済新聞社、2002年
  • 小川進『イノベーションの発生論理』白桃書房、2000年
  • エリック・フォン・ヒッペル(サイコム・インターナショナル監訳)『民主化するイノベーションの時代―メーカー主導からの脱皮』ファーストプレス、2006年
  • 吉田満梨(2013) 「製品評価基準の変化を伴う市場形成のプロセス―カモ井加工紙株式会社『mt』の事例研究」『季刊マーケティング・ジャーナル』、 127: 16 -32

第4章 価格による顧客創造―サントリー ザ・プレミアムモルツ

考えてみよう

  1. サントリーのウェブサイトを確認し、本文との対応内容を確認して、なぜそのような情報を掲載しているのかを考えてみよう。
  2. 同じカテゴリーの他の製品と比べて、プレミアム価格で販売されている商品のブランド名をあげ、なぜ、その製品はプレミアム価格をつけられているにもかかわらず消費者によく売れているのか、価格以外のマーケティングミックスと関連づけて説明してみよう。
  3. ミネラルウォーターの価格の違いについて、国産ブランドのミネラルウォーターと外国産ブランドのミネラルウォーターの価格差について、あなたはどのような説明をするか考えてみよう。

次に読んで欲しい本

  • 上田隆穂 編『ケースで学ぶ 価格戦略・入門』有斐閣、2003年
  • 上田隆穂・守口剛 編『価格・プロモーション戦略 現代のマーケティング戦略②』有斐閣アルマ、2004年
  • ヘルマン・サイモン、ロバート・J・ドーラン『価格戦略論』ダイヤモンド社、2002年

参考文献

  • 上田隆穂『売りたいのなら、値下げはするな!日本一わかりやすい 価格決定戦略』明日香出版社、2005年
  • 片山修『なぜ、プレミアムモルツはこんなに売れるのか?』小学館、2010年
  • 水野誠『マーケティングは進化する』第6章(価格設定)、同文館出版、2014年

第5章 チャネルによる顧客創造―ネスレ日本 ネスカフェ アンバサダー

考えてみよう

  1. ネスレの「バリスタ」販売において、安い価格設定が成立したのはなぜか。その理由について考えてみよう。
  2. 通常、コーヒー・ビジネスは継続性が構築しやすいといわれる。その根幹の理由は何か、考えてみよう。
  3. なぜネスレは、通常の家電販売店チャネルだけでなく、スーパーマーケットなどでも「バリスタ」(コーヒー・マシン家電製品)を販売したのか。その理由について考えてみよう。

次に読んで欲しい本

参考文献

  • 内田和成『ゲーム・チェンジャーの競争戦略:ルール、相手、土俵を変える』日本経済新聞社、2015年
  • 『コーヒー・ビジネス最前線―大特集コーヒーの売り方《最新研究》』 旭屋出版MOOK、2010年
  • 嶋口充輝『仕組み革新の時代―新しいマーケティング・パラダイムを求めて』有斐閣、2004年
  • 嶋口充輝・内田和成編『顧客ロイヤリティの時代』同文館出版、2004年

第6章 コミュニケーションにおける顧客創造―ファーストリテイリング ヒートテック

考えてみよう

  1. ユニクロのウェブページやSNSの企業ページを訪れ、コミュニケーション段階にどの段階に対応しているのか調べてみよう。
  2. コラムに登場していないコミュニケーション段階とそれに対応するメディア特性を考えてみよう。
  3. ヒートテックのケースで反復購買してもらうには、どのようなメディアが有効かを考えてみよう。

次に読んで欲しい本

  • 岸志津江・田中洋・嶋村和恵『現代広告論』有斐閣アルマ、2008年
  • 田中洋・清水聰 編『消費者・コミュニケーション戦略』有斐閣アルマ、2006年
  • 水野由多加・妹尾俊之・伊吹勇亮『広告コミュニケーション研究ハンドブック』有斐閣ブックス、2015年

参考文献

  • 岸志津江・田中洋・嶋村和恵『現代広告論』有斐閣アルマ、2008年
  • 栗木契・余田拓郎・清水信年 編『売れる仕掛けはこうしてつくる』日本経済新聞社、2006年
  • 松下久美『ユニクロ進化論』ビジネス社、2010年
  • 柳井正『一勝九敗』新潮社、2003年
  • 柳井正『成功は一日で捨て去れ』新潮社、2009年
  • 日経MJ 2011年10月7日
  • 日経産業新聞 2013年10月21日
  • 朝日新聞社広告局ウェブサイト

第7章 顧客理解―ライオン株式会社「Ban 汗ブロックロールオン」

考えてみよう

  1. ライオン株式会社の制汗剤ブランド「Ban」のホームページを確認し、この商品のターゲットはどのような人かをまとめよう。
  2. アンケート調査とインタビュー調査について①メリット②デメリット③どのようなことを知りたいときに実施すべきかの3点について、両者を対比させた表を作成し考えてみよう。
  3. 「マーケティングリサーチを行ってヒットした」と書籍、新聞記事、雑誌記等で紹介されている商品について調べてみよう。その際にどのような手法が利用され、どのような意思決定に使用されたのか考えてみよう。

次に読んで欲しい本

参考文献

第8章 関係構築―ガンホー・オンライン・エンターテイメント パズドラ

考えてみよう

  1. ゲーム業界のビジネスの変遷について調べてみよう。
  2. 他の消費財を調べ、関係性の構築がどのようになされているかを考えてみよう。
  3. すでにプラットフォームが形成されている市場において、新たなプラットフォームの形成を狙う方法を考えてみよう。

次に読んで欲しい本

  • 野島美保『人はなぜ形のないものを買うのか』NTT出版、2008年
  • クリス・アンダーソン『フリー~〈無料〉からお金を生みだす新戦略』日本放送出版協会、2009年

参考文献

  • 石井淳蔵・栗木契・嶋口充輝・余田拓郎『ゼミナール マーケティング入門 第2版』日本経済新聞社、2013年
  • 嶋口充輝『顧客満足型マーケティングの構図』有斐閣、1994年
  • 和田充夫『関係性マーケティングの構図』有斐閣、1998年

第9章 デジタル・マーケティング-ハウス「ウコンの力」

考えてみよう

  1. スマートフォンで他者とコミュニケーションをする場合に、どのようなツールをどのような場面で使用するかをあげてみよう。
  2. 企業のマーケティングに参加していると思われるあなたの行動をあげてみよう。何故そのような行動をとっているのかを本章の内容を手がかりに考えてみよう。
  3. デジタル・マーケティングに組み込まれていると感じる体験をあげてみよう。その体験を、時間、空間、働きかけ、その手段、行動、感情にわけて整理してみよう。そこからデジタルツールのマーケティング上の役割を考えてみよう。

次に読んで欲しい本

  • フィリップ・コトラー、ヘルマワン・カルタジャヤ、イワン・セティアワン『コトラーのマーケティング3.0』朝日新聞出版、2010年
  • クリス・アンダーソン『ロングテール』ハヤカワ・ノンフィクション文庫、2006年
  • ミコワイ・ヤン・ピスコロスキ他『ハーバード流ソーシャルメディア・プラットフォーム戦略』朝日新聞出版、2014年

参考文献

  • 佐々木俊尚『レイヤー化する世界―テクノロジーとの共犯関係が始まる』NHK出版新書、2013年
  • 斉藤徹『ソーシャル・インパクト』日本経済新聞社、2011年
  • 根来 龍之 監修、富士通総研、早稲田大学ビジネススクール根来研究室編著『プラットフォームビジネス最前線 26の分野を図解とデータで徹底解剖』翔泳社、2013年
  • ミコワイ・ヤン・ピスコロスキ他『ハーバード流ソーシャルメディア・プラットフォーム戦略』朝日新聞出版、2014年
  • 平野敦士カール、アンドレイ・ハギウ『プラットフォーム戦略』東洋経済新報社、2010年
  • レイチェル・ボッツマン、ルー・ロジャース『シェア』NHK出版、2010年

第10章 ディマンドチェーン―カルビー ポテトチップス

考えてみよう

  1. カルビーのホームページを確認し、原材料の調達方法や製品の鮮度を高めるための活動について調べて、それらがどのように製品の在庫管理に役立っているか、本章の内容を手がかりに考えてみよう。
  2. 1つのメーカーのホームページを検索し、そのメーカーがどのように原材料の調達を行っているのか、どのように自社製品の在庫を管理しているのか、その方法を調べてみよう。その事例は、延期的な在庫管理と投機的な在庫管理のどちらの仕組みと考えられるだろうか。そのような在庫管理を採用している理由とともに考えてみよう。
  3. 企業が、延期的な在庫管理を採る場合と投機的な在庫管理を採る場合で、それぞれどのようなメリットとデメリットがあるか整理してみよう。また、それぞれの仕組みはどのような場合に採用すべきだろうか。判断の基準としてどのような要因がありそうか、考えてみよう。

次に読んで欲しい本

  • 藤野直明『サプライチェーン経営入門』日本経済新聞社、1999年
  • 小川進『ディマンド・チェーン経営』日本経済新聞社、2000年
  • 齊藤孝浩『ユニクロ対ZARA』日本経済新聞出版社、2014年

参考文献

第11章 ブランド構築―マンダム ギャツビー

考えてみよう

  1. 本文を読んでからギャツビーのホームページにアクセスし、新商品の特徴を考察してみよう。
  2. ロングセラーと言われるブランドの特徴について考えてみよう。
  3. あなたの所属する組織について、ブランド戦略の観点から活性化策を考えてみよう。

次に読んで欲しい本

  • 石井淳蔵『ブランド―価値の創造―』岩波新書、1999年
  • ケビン・L・ケラー『戦略的ブランド・マネジメント<第3版>』東急エージェンシー、2010年
  • バーンド・H・シュミット『経験価値マーケティング―消費者が「何か」を感じるプラスαの魅力―』ダイヤモンド社、2000年

参考文献

第12章 営業活動―カゴメ 瀬戸内レモン

考えてみよう

  1. カゴメが「瀬戸内レモン」を開発し、販売するためには、社内外の様々なつながりが必要であった。本文を読んで、カゴメがどんな人や組織とつながりをもったか、整理してみよう。
  2. それぞれのつながりから、カゴメが引き出したものは何だっただろうか。またそれは「瀬戸内レモン」の成功にとってどんな影響を与えただろうか。考えてみよう。
  3. 自分の住んでいる地域の特産品を売り出すとしたら、どんな営業活動が必要になるか考えてみよう。

次に読んで欲しい本

  • 石井淳蔵『営業が変わる』岩波アクティブ新書、2004年
  • 田村正紀『起動営業力』日本経済新聞社、1999年
  • 嶋口充輝・石井淳蔵 編著『営業の本質』、1995年

参考文献

  • ナン・リン『ソーシャル・キャピタル:社会構造と行為の理論』ミネルヴァ書房、2008年

第13章 マーケティングの戦略展開―花王 ヘルシア緑茶

考えてみよう

  1. 4Pが統一的に行われている商品を一つ取り上げ、それがどのように統一的であるといえるのかを考えてみよう。
  2. 複数の商品を販売している企業を選び、同一企業でも商品によって4Pが異なることがあるのだということを確認してみよう。
  3. 競合関係にある複数の企業の商品を比較し、それらの4Pの違いが企業の目標や資源の違いに根ざしたものであるかどうかを考えてみよう。

次に読んで欲しい本

参考文献

  • 石井淳蔵・栗木契・嶋口充輝・余田拓郎『ゼミナールマーケティング入門[第2版]』日本経済新聞社、2013年
  • 伊丹敬之『新・経営戦略の論理』日本経済新聞社、1984年
  • 嶋口充輝『戦略的マーケティングの論理』誠文堂新光社、1984年
  • 嶋口充輝・石井淳蔵『現代マーケティング[新版]』有斐閣、1995年

第14章 社会共生―トヨタ プリウス

考えてみよう

  1. トヨタ・プリウスは1997年の発売以降、モデルチェンジしているが、どのように変わってきたか。
  2. 企業の公共性とはどのような考え方か、どのような問題があるか。
  3. 社会共生の関係づくりを実現するために、どのような工夫をすることができるか。

次に読んで欲しい本

  • マイケルE. ポーター・マーク R. クラマー「共通価値の戦略」『DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー』2011年6月号、8-31頁
  • フィリップ・コトラー『グッド・ワークス!』東洋経済新報社、2014年

参考文献

  • 石井淳蔵「企業メセナの新しい視点」『マーケティング・ジャーナル』No.43、1991年
  • 内山田竹志「プリウスの開発」『自動車技術』Vol.61, No.1, 2007, pp.18-22
  • 板崎英士『革新 トヨタ自動車:世界を震撼させたプリウスの衝撃』日刊工業新聞社、1999年
  • ジェフリー・K・ライカー『ザ・トヨタウェイ(上)』日経BP社、2004年
  • 『環境社会報告書』各年、トヨタ自動車

第15章 マーケティング3.0―P&G

考えてみよう

  1. 自宅にある固形石鹸やインターネット上の石鹸メーカーのWEBサイト、あるいは他のページなどで、3社程度それぞれの固形石鹸には、包装も含めどのような特長があるのかを調べてみよう。
  2. コラム15-1で示した各定義を、①誰が、②誰に、③何を、④どうするという点からその変化を整理してみよう。
  3. メーカー(企業)と消費者が、ソーシャルメディアを用いて協働で製品開発をするなど、売り手と買い手という関係以上につながっている事例を、本書で取り上げられている企業以外で調べてみよう。

次に読んで欲しい本

  • 石井淳蔵・栗木契・嶋口充輝・余田拓郎『ゼミナール マーケティング入門 第2版』 日本経済新聞社、2013年
  • 栗木契・清水信年・余田拓郎 編著 『売れる仕掛けはこうしてつくる 成功企業のマーケティング』 日本経済新聞社、2006年
  • ローラ・メーザー、ルエラ・マイルズ『マーケティングをつくった人々』東洋経済新報社、2008年

参考文献