1からの観光事業論(第2版)

高橋一夫・柏木千春(編著)

事例と理論で学ぶ、「21世紀の成長産業」観光。
定評のテキストの第2版。
参考文献はこちら

発売日:2025年3月27日
ISBN:978-4-502-52801-9
定価:2,970円
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目次

※所属および職名は出版当時のものです。

序文

第Ⅰ部 観光事業のマネジメント特性

第1章 観光事業のマネジメント特性
― 東京ディズニーリゾートの凄さを知る

執筆 :高橋一夫(近畿大学 経営学部 教授)

  1. はじめに
  2. ディズニーの集客力の秘密
    • キャストのサービス
    • 集客力のある経営
  3. 観光事業のマネジメントの特性
    • サービス・マネジメントの特性
    • 観光サービスに特徴的に現れる特性
  4. おわりに
    • Column1-1 ホテルのふかふかのタオルは持って帰れない?
    • Column1-2 観光の領域と観光産業
    • 考えてみよう/次に読んで欲しい本
第2章 観光事業のイノベーション
― 楽天トラベルのオンライン旅行販売

執筆 :室岡祐司(九州産業大学 地域共創学部 准教授)

  1. はじめに
  2. 旅行業における宿泊販売の仕組み
  3. 楽天トラベルの誕生と伸長
    • 「ホテルの窓口」の開設
    • 大手旅行会社のオンライン対応
    • 楽天トラベルによる統合と性能向上
    • 楽天トラベルの伸長
  4. イノベーションの理論
    • 破壊的イノベーションの理論
    • 旅行業界における破壊的イノベーション
  5. おわりに
    • Column2-1 イノベーションのジレンマ
    • Column2-2 サステナブルな旅行
    • 考えてみよう/次に読んで欲しい本
第3章 観光事業のグローバル経営
― JTB Asia Pacificグローバル戦略の展開

執筆 :谷光(桜美林大学 ビジネスマネジメント学群 教授)

  1. はじめに
  2. 国際観光市場の環境の変化
    • 観光消費の拡大
    • 旅行業界の状況
  3. アジアにおけるJTBのグローバル戦略
    • JTBの海外拠点の展開
    • JTBのグローバル経営環境
    • タイ・チェンマイ近郊の宗教的祭事を素材とした商品開発
    • JTBアジア・パシフィックグループのグローバル戦略
  4. グローバル経営理論と観光事業
    • グローバル経営と観光事業
    • グローバル経営分析のフレームワーク
  5. おわりに
    • Column3-1 職場の多様性
    • Column3-2 グローバル経営の法務と税務
    • 考えてみよう/次に読んで欲しい本
第4章 観光のマーケティング・マネジメント
― 聖地巡礼の道「熊野古道」に外国人旅行者を呼び込む

執筆 :藤田健(山口大学 経済学部 准教授)

  1. はじめに
  2. 「熊野古道」のマーケティング
    • 組織設立の背景
    • 戦略策定とターゲット設定
    • 受け入れ地域の整備
    • マーケティングの内容
    • 顧客満足と成果
  3. 旅行目的地マーケティング
    • 旅行目的地マーケティングとその実施主体
    • ターゲットの設定と提供する価値の決定
    • ターゲットに価値を提供する「4P」
    • 観光経験の提供
  4. おわりに
    • Column4-1 DMOはどのような組織か
    • Column4-2 マーケティング論の基本的な考え方
    • 考えてみよう/次に読んで欲しい本
第5章 観光とWebビジネス
― 消費者の意思決定プロセスとエクスペディアのマーケティング

執筆 :田中祥司(摂南大学 経営学部 准教授)

  1. はじめに
  2. エクスペディアの成功要因
    • エクスペディア・グループによるブランド展開
    • テクノロジーによる差別化
    • リピーターの育成
  3. 消費者の意思決定プロセス
    • 欲求認識(問題認識)
    • 情報探索
    • 選択肢評価・購買
    • 購買後評価
    • 消費者の意思決定プロセスとエクスペディアのマーケティング
  4. おわりに
    • Column5-1 知覚リスク(Perceived Risk)
    • Column5-2 インスピレーション
    • 考えてみよう/次に読んで欲しい本

第Ⅱ部 観光関連産業の基幹事業

第6章 旅行業
― 大手旅行会社のソリューションビジネスへの進化

執筆 :小里貴宏(地域創生ソリューション株式会社 執行役員(地域戦略担当))

  1. はじめに
  2. 進化する大手旅行会社のソリューションビジネス事例
    • 事例1)JTBの生命保険会社の営業社員インセンティブプログラムの事例
    • 事例2)日本旅行の防衛省自衛隊東京大規模接種センター等の運営業務事例
  3. 大手旅行会社の競争優位のビジネスモデル変革
    • 大手旅行会社を取り巻く環境(市場)変化
    • 大手旅行会社の事業ドメインの拡張
    • 事業ドメインの拡張と営業の役割の変化
    • 新事業ドメイン領域の提案によるクライアントからのイメージの変換
  4. おわりに
    • Column6-1 B2Bビジネスの基本特性
    • Column6-2 モチベーション理論
    • 考えてみよう/次に読んで欲しい本
第7章 宿泊業
― 星野リゾートのサービス・マネジメント

執筆 :稲田賢次(大阪学院大学 経営学部 教授)

  1. はじめに
  2. 星野リゾートの基本戦略の概要
    • 運営特化による成長
    • ビジョンの設定と変更
    • ブランドの展開
    • OMOブランド:都市型ホテルの新たな観光モデルの創造
  3. 星野リゾートのサービス・マネジメント
    • マネジメント:サービス・プロフィット・チェーンの視点
    • 地域性を活かした「おもてなし」のデザイン
  4. おわりに
    • Column7-1 ホテル・旅館の経営方式
    • Column7-2 サービスとホスピタリティの違い
    • 考えてみよう/次に読んで欲しい本
第8章 航空輸送業
― 事業特性とANAのレベニュー・マネジメント

執筆 :辛川敬(大阪成蹊大学 国際観光学部 副学部長 教授)

  1. はじめに
  2. 航空輸送業
    • ANAの沿革 (日本の航空輸送業の誕生と航空政策の変遷)
    • ANAで見る航空輸送業の事業特性
  3. 収益の最大化を目指すレベニュー・マネジメント
    • 導入の背景―制度、技術、需要の側面から
    • レベニュー・マネジメントの仕組み
  4. おわりに
    • Column8-1 エアラインの差別化戦略(機内プロダクト)
    • Column8-2 エアラインの差別化戦略(ネットワーク、マイレージ、アライアンス)
    • 考えてみよう/次に読んで欲しい本
第9章 鉄道事業
― 阪急電鉄の創造的適応

執筆 :米盛安奈(大阪商業大学 公共学部 准教授)

  1. はじめに
  2. 観光と鉄道の関係
    • 観光交通と鉄道
    • 鉄道事業の特殊性
  3. 小林一三のビジネスモデル
    • 阪急電鉄の創業と沿線住宅地開発
    • 沿線観光開発
    • 梅田ターミナル開発
    • 小林一三の鉄道まちづくり
  4. 創造的適応による価値創造
    • 創造的適応の概念
    • 小林一三モデルの創造的適応
    • これからの鉄道事業
  5. おわりに
    • Column9-1 交通サービスの外部性
    • Column9-2 6次産業化による地域活性化
    • 考えてみよう/次に読んで欲しい本
第10章 エンターテインメント業
― テーマパークとしてのハウステンボスの成長と進化

執筆 :小林裕和(國學院大學 観光まちづくり学部 教授)

  1. はじめに
  2. ハウステンボスの30年
    • 開業、そして破綻
    • 投資会社が経営者に
    • H.I.S.によるV字回復
  3. テーマパークと経験価値
    • テーマパークの定義
    • 経験価値
    • ハウステンボスは、まちかパークか
  4. おわりに
    • Column10-1 損益分岐点
    • Column10-2 遊園地にこそマーケティングを
    • 考えてみよう/次に読んで欲しい本

第Ⅲ部 観光事業の展開モデル

第11章 グローバル時代の地域観光インフラ(1)
空港経営
― 関西エアポートによるコンセッション

執筆 :稲本恵子(共栄大学 国際経営学部 教授)

  1. はじめに
  2. 関西エアポートによる空港経営
    • 所有と運営―上下分離方式
    • 伊丹の存続と民営化
    • 経営統合から運営権売却へ
    • 関西エアポートのコンセッション
  3. コンセッションによるインフラ民営化
    • コンセッションによる空港経営改革
    • コンセッションの効果
    • PPP/PFIとコンセッション
    • インフラとコンセッション
    • 空港コンセッションの目的
  4. おわりに
    • Column11-1 滑走路の向きと意味
    • Column11-2 PPP/PFI事業の広域化・バンドリング
    • 考えてみよう/次に読んで欲しい本
第12章 グローバル時代の地域観光インフラ(2)
IR(統合型リゾート)
― 公共政策としてのIR

執筆 :高橋一夫(近畿大学 経営学部 教授)

  1. はじめに
  2. ケース「大阪IR株式会社」の整備計画
    • IRとは何か
    • 大阪IR地域整備計画の内容
    • 送客機能施設―日本型IRの独自性
  3. 公共政策としてのIR
    • なぜ、IRは日本でできなかったのか―民設民営のIR
    • 導入反対の意見と対策経費
    • 開業後の継続的投資と新たなツーリズムクラスターの予感
  4. おわりに
    • Column12-1 三店方式―パチンコで換金はできるのか?
    • Column12-2 IRにおける市民の意見とレピュテーション(風評)リスク
    • 考えてみよう/次に読んで欲しい本
第13章 観光まちづくり
― 城崎温泉の観光まちづくりにみるリーダーシップ

執筆 :柏木千春(大正大学 地域創生学部 教授)/
髙橋伸佳(芸術文化観光専門職大学 准教授)

  1. はじめに
  2. 城崎温泉の観光まちづくり
    • 人気を保ち続けている城崎温泉
    • みんながひとつになるコンセプト「まち全体がひとつの旅館」
    • 「ひとつの旅館」がもたらす城崎温泉らしさ
    • 「ひとつ」であり続けることの難しさ
    • 「ひとつ」で挑むデジタル・トランスフォーメーション
  3. 観光まちづくりにおけるリーダーシップ
    • リーダーシップとマネジメントの違い
    • 観光まちづくり機能の集合体に見る組織構造
  4. おわりに
    • Column13-1 飽きられない観光地であるために
    • Column13-2 ビジネス・エコシステム
    • 考えてみよう/次に読んで欲しい本
第14章 デスティネーションのブランディング
― 香川県直島が世界中で「訪れたい」島となる活動の軌跡

執筆 :柏木千春(大正大学 地域創生学部 教授)

  1. はじめに
  2. 直島―世界に知られる現代アートの島
    • 直島の概要
    • 観光開発から芸術文化を軸とした観光事業へ
    • 現代アート集積の創造
    • アート分野での国際的な発信と地域化
  3. デスティネーションのブランディング
    • ブランディングという活動
    • デスティネーションのブランドの特徴
    • ブランド・アイデンティティを伝える構造
  4. おわりに
    • Column14-1 デスティネーションの対象範囲 行政区域かテーマか
    • Column14-2 地域ブランドの保護と活用のための地域団体商標制度
    • 考えてみよう/次に読んで欲しい本
第15章 インバウンド事業の理解
― ハナツアーを通して日本を旅する韓国人旅行者

執筆 :崔瑛(神奈川大学 国際日本学部 准教授)

  1. はじめに
  2. 韓国市場とハナツアーの特徴
    • 日本のインバウンドにおける韓国市場
    • 韓国人旅行者の特徴
    • 韓国旅行市場の個人旅行とパッケージツアー
    • ハナツアーの概要
  3. アウトバウンド事業(親会社)とインバウンド事業(子会社)の実際
    • 商品と流通チャネルの多角化
    • 日本ツアーの企画と販売
    • ハナツアージャパンのインバウンド事業
    • インバウンドによる価値創出
  4. おわりに
    • Column15-1 多言語対応
    • Column15-2 ツーリズムバリューチェーン(Tourism Value Chain)
    • 考えてみよう/次に読んで欲しい本

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