日本発グローバル・
ラグジュアリー・ブランド 明治~戦前昭和のミキモトのグローバル・マーケティング史

杉林弘仁(著)

日本を代表するラグジュアリー・ブランドとして世界に知られるミキモト。その明治期からのおよそ70年にわたる日本、ヨーロッパ、アメリカの三市場での活動を、これまでの二次資料に加え、経営学で利用されることのなかった一次史料をもとに再構成する。
ミキモトがグローバルにブランドを構築していった過程の経済合理性を、歴史叙述を踏まえて解き明かす待望の書。

発行日:2023年12月28日
ISBN:978-4-502-47291-6
定価:6,380円
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目次

第1章 問題意識と研究構成
  1. 問題意識
  2. 本研究の構成
第2章 ミキモトの現状および御木本に関する史資料と研究アプローチ
  1. 現在の宝飾品市場とミキモトグループの位置づけ
  2. ミキモトに関する先行研究と社史
  3. 二次資料とアーカイブスの位置づけおよび研究方法
  4. 御木本の事業活動の記述とその対象と範囲
  5. 御木本の事業活動を捉えるアプローチ
第3章 国内事業の形成過程 31
  1. 事業形成の前過程と真珠事情
  2. 事業への製造技術の組み込み
  3. 事業へのデザイン開発の組み込み
  4. 量産化・量販化への対応
  5. ターゲット顧客層について
  6. プロモーションについて
  7. 国内の製販統合事業体制
  8. 小括
第4章 海外市場へのアプローチ
  1. 展示アプローチ:1893(明治26)年から
  2. 販売アプローチ:1897(明治30)年から
  3. 現地アプローチ:1904(明治37)年から
  4. 小括
第5章 海外市場への参入過程
  1. 現地アプローチの市場活動
  2. 明治44年の海外展開の構想
  3. ロンドン支店設置とその市場活動
  4. ヨーロッパ市場参入の障壁とロンドン支店の対応
  5. 明治期の小売構想と大正後期・昭和初期のロンドン支店の活動
  6. 昭和初期のパリ支店の設置とヨーロッパ支店の状況
  7. 小括
第6章 アメリカの市場活動
  1. アメリカ市場の現地アプローチ:アメリカ支店の形成過程
  2. ニューヨーク支店の事業活動
  3. アメリカ市場の売上状況
  4. アメリカ市場の品揃え状況
  5. アメリカ市場のプロモーション状況
  6. ニューヨーク支店の店舗と人員配置状況
  7. 小括
第7章 ヨーロッパと他の支店の市場活動
  1. 昭和戦前期の御木本の史料ついて
  2. 御木本の昭和期のグローバル販売網
    • ロンドン支店
    • パリ支店
    • ボンベイ支店
    • 上海支店
    • ニューヨーク支店とロサンゼルス・サンフランシスコ支店
    • シカゴ支店
    • 銀座店と神戸支店
    • もうひとつの海外販売
  3. 海外支店の売上状況
  4. 海外支店の品揃え状況
  5. 海外支店のプロモーション状況
  6. 小括
第8章 グローバル市場活動の進展とその終焉
  1. グローバル・キャッシュ・フロー対応
  2. グローバルな過当競争への対応
    • パリの真珠市場
    • 真珠生産の状況
  3. グローバル・ネットワーク下での御木本の対応
    • 御木本の内部状況
    • 御木本の外部状況
    • 御木本のグローバル対応
  4. グローバルでの合理化構想とその結末
第9章 戦前の御木本の市場活動の歴史的理解
  1. ミキモトの事業の一般的理解と本研究の理解の焦点
  2. 海外市場への参入過程への理解
  3. 御木本が挑んだ海外の真珠市場の理解
  4. 真珠市場への御木本のプロモーションの理解
  5. 真珠市場での御木本のチャネル活動の理解
  6. 御木本のグローバル・ラグジュアリー・ブランド形成への理解
  7. 国内と海外で相違するグローバル・チャネルの理解
第10章 国内と海外での市場活動比較とグローバル・チャネル形成の合理性
  1. 国内での市場活動
  2. アメリカとヨーロッパの市場活動
  3. 御木本の国内と海外での市場活動の比較
  4. 御木本の国内事業と海外事業の経済合理性
第11章 本研究の結論と今後の課題
  1. 結論と意義
  2. 本研究の限界と今後の課題
あとがきに代えて
参考文献
謝辞
索引

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