メガブランド グローバル市場の価値創造戦略

張 智利 (著)

日本企業の中国市場における高成長・高収益の源泉は何か
国内で苦戦する日本企業が、中国で高成長・高収益を実現しているのはなぜか?
資生堂の事例を中心として、日本型マーケティングの強みと課題を客観的に分析し、グローバル時代に必要とされる価値創造戦略を提言!

発売日:2010年7月30日
ISBN:978-4-502-67870-7
定価:3,740円
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電子書籍版あり

目次

第1章 なぜ日本企業は低収益構造に陥ったのか?
  • 第1節 研究目的と問題意識
  • 第2節 研究の対象事例
  • 第3節 研究方法とデータ収集
  • 第4節 本書の構成
第2章 先行研究レビューと分析視点
  • 第1節 日本企業のマーケティングの定義と特徴
  • 第2節 日本企業のマーケティングに対する評価
  • 第3節 本書の分析視点
第3章 日本における資生堂のマーケティング改革
  • 第1節 マーケティング改革に踏み出した理由
    • 1.1 再販売価格維持制度の制約と売上の低迷
    • 1.2 小粒ブランドの「負のスパイラル」による低収益化
    • 1.3 強力な競合企業の台頭に脅かされる業界トップの座
  • 第2節 マーケティング改革の内容と成果
    • 2.1 マーケティング改革の戦略的な位置づけ
    • 2.2 マーケティング改革を支える3つの重点施策
      • (1)メガブランド戦略の構築
      • (2)マーケティング組織体制の再編
      • (3)ビューティー・コンサルタントの新評価制度の確立
      • (4)マーケティング改革の重点施策のまとめ
    • 2.3 国内マーケティング改革の成果
      • (1)企業収益の改善
      • (2)カテゴリーNo.1 メガブランドの確立
      • (3)組織再編による流通対応力の向上
      • (4)新制度の導入による顧客満足度の向上
  • 第3節 マーケティング改革がなぜ実現できたのか?
    • 3.1 池田社長によるメガブランド改革の土台づくり
      • (1)700億円の不良在庫の焼却
      • (2)小粒ブランドの絞り込み
      • (3)悪い商習慣「架空売上」に厳罰
    • 3.2 前田社長が推進したメガブランド戦略の改革プロセス
      • (1)メガブランド戦略
      • (2)メガブランドによる流通対策
      • (3)小売業に歓迎された「ツバキ」
    • 3.3 メガブランド戦略が実現された理由
      • (1)マーケティング改革の阻害要因
      • (2)変革を促進した日本市場の地盤変動
      • (3)改革への継続的な取り組み
  • 第4節 メガとリレーショナルの新ブランド戦略
    • 4.1 長期的なロードマップである新3ヵ年計画
    • 4.2 欧州型マーケティングに近づけた資生堂のブランド構造
      • (1)ロレアル社の概要
      • (2)日本市場における百貨店ブランド「ランコム」
      • (3)日本型マーケティングと欧州型マーケティングの比較
    • 4.3 日本型マーケティングの再認識
      • (1)日本の風土と文化で育てられた日本型マーケティング
      • (2)日本型マーケティングの強みとその課題
      • (3)競争力を持つ新日本型マーケティングとは
第4章 中国における資生堂のマーケティング開拓
  • 第1節 中国の市場環境と資生堂の歩み
    • 1.1 中国化粧品市場のビジネスチャンスとリスク
    • 1.2 各外資系企業の中国市場への参入状況
    • 1.3 中国における資生堂の事業拠点
  • 第2節 中国専用ブランド「オプレ」のマーケティング開拓
    • 2.1 「オプレ」のマーケティング戦略
    • 2.2 中国化粧品市場の流通構造と小売業の状況
    • 2.3 直販体制のマーケティング戦略が採用された理由
      • (1)化粧品と直販体制の関係
      • (2)中国市場の特有課題への対応
      • (3)企業の長期的な戦略視点
  • 第3節 資生堂の高成長・高収益の土台となる直販体制
    • 3.1 直販体制が構築された実態
      • (1)チャネルの構築
      • (2)美容部員の育成
    • 3.2 直販体制が導入された結果
      • (1)直販体制の狙い通りの結果
      • (2)直販体制の予想外の効果
    • 3.3 直販と卸売の両輪で実現した資生堂の高成長・高収益
第5章 発見事実とディスカッション
  • 第1節 発見事実
    • 1.1 メガブランド戦略によるマーケティングパワーの取り返し
    • 1.2 中国専用ブランドによるマーケティングパワーの構築
    • 1.3 日中両国における資生堂マーケティングパワーの比較
      • (1)日本における資生堂のマーケティングパワーとは
      • (2)中国における資生堂のマーケティングパワーとは
      • (3)日中両国における資生堂マーケティングパワーの時系列比較
  • 第2節 ディスカッション
    • 2.1 グローバル時代におけるブランド力の重要性
    • 2.2 関係性づくりとしての流通チャネルの重要性
    • 2.3 ブランドと流通チャネルの相乗効果による新日本型マーケティング
第6章 高収益を実現する新日本型マーケティング
  • 第1節 本書のまとめ
  • 第2節 理論的貢献:ブランドと流通チャネルの相乗効果
  • 第3節 実務的貢献:「真」価値を創造する
  • 第4節 今後のマーケティング研究の展望

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