国際マーケティング

小田部正明、K・ヘルセン(著)
栗木契(監訳)

全米のMBAスクールで読まれてきたグローバル競争の指針
世界の企業の経験を構造化しながら俯瞰する
本書の魅力は、このマーケティングという複雑な問題の一面だけを切り取るのではなく、多面的に提示することに努めていることである。現象と理論の対話を幾重にも繰り返していく本書のスタイルは、この多元性を分厚く描き、伝えるのに適している。そして、この厚みのある多元性の提示は、われわれがグローバル時代のマーケティングに挑む上で必要な、文化的、政治的そして経済的な想像力や構想力を高めてくれる。このような意味で本書は、優れた経営書だといえるのである。

発売日:2010年6月4日
ISBN:978-4-502-67420-4
定価:8,360円
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電子書籍版あり

目次

第1章 グローバリゼーションを避けることはできない
  • 1.なぜ, グローバル・マーケティングは重要なのか
  • 2.市場のグローバル化:集中と拡散
    • 国際貿易と国際ビジネス
    • 誰が国際貿易をマネジメントしているのか
  • 3.グローバル・マーケティングの発展
    • マーケティングとは何か。
    • 国内マーケティング
    • 輸出マーケティング
    • インターナショナル・マーケティング
    • 多国籍マーケティング
    • グローバル・マーケティング
    • 経済地理の影響とグローバル・マーケティングの状態
  • 要約
  • 付録:国際貿易および多国籍企業の理論
第2章 グローバル文化環境と購買行動
  • 1.文化の定義
  • 2.文化の要素
    • 物質的な生活
    • 言語
    • 社会的相互作用
    • 美学
    • 宗教
    • 教育
    • 価値システム
  • 3.異文化比較
    • 高コンテクスト文化と低コンテクスト文化
    • ホフステードの分類枠組み
    • グローバル・リーダーシップと組織的行動の有効性(GLOBEプロジェクト)
    • 世界価値観調査(WVS)
  • 4.文化への適応
  • 5.文化とマーケティング・ミックス
    • 製品政策
    • 価格設定
    • 流通
    • プロモーション
  • 6.組織文化
  • 7.グローバル・アカウント・マネジメント(GAM)
    • グローバル営業で要求されること
    • グローバル営業のマネジメント
  • 8.グローバルな顧客関係マネジメント(CRM)
    • CRMの貢献
    • チャレンジ
    • CRMの実行を成功に導くガイドライン
  • 要約
第3章 グローバル・マーケティング・リサーチ
  • 1.リサーチ問題の設定
  • 2.2次的グローバル・マーケティング・リサーチ
    • 2次データ・ソース
    • 2次データ・リサーチの諸問題
  • 3.1次的グローバル・マーケティング・リサーチ
    • フォーカス・グループ
    • 文化横断型のマーケティング・リサーチにおけるアンケート方法
  • 4.市場規模の評価
    • 類似性に基づく方法
    • 貿易調査
    • 比率連鎖法
    • クロス・セクション回帰分析
  • 5.新しい市場情報技術
  • 6.グローバル・マーケティング・リサーチのマネジメント
    • リサーチ・エージェンシーの選定
    • 多国籍リサーチの調整
  • 要約
第4章 グローバル・セグメンテーションとポジショニング
  • 1.国際市場セグメンテーションの論理
    • 国のスクリーニング
    • グローバル・マーケティング・リサーチ
    • 参入意思決定
    • ポジショニング戦略
    • 資源配分
    • マーケティング・ミックス政策
  • 2.国際市場のセグメンテーションのアプローチ
  • 3.セグメンテーションのシナリオ
  • 4.国のセグメンテーションの基軸
    • 人口統計
    • 社会経済的変数
    • 行動にもとづくセグメンテーション
    • ライフスタイル
  • 5.国際ポジショニング戦略
    • 単一のポジショニング戦略か, ローカル化したポジション戦略か
    • ユニバーサーサル・ポジショニング・アピールズ
  • 6.グローバル, 広域, そしてローカルな消費者文化ポジショニング
  • 要約
第5章 グローバル・マーケティング戦略
  • 1.情報技術とグローバル競争
    • 電子商取引(Eコマース)
    • リアル・タイムのマネジメント
    • オンライン・コミュニケーション
    • E企業
    • 速まる製品普及
    • 世界市民
  • 2.グローバル戦略
    • グローバル産業
    • 競争構造
    • 競争優位の獲得
    • 相互依存性
  • 3.グローバル・マーケティング戦略
    • グローバル・マーケティングの利点
    • グローバル・マーケティングの限界
  • 4.グローバル・マーケティング戦略の広域化
    • 子会社横断型の市場対応
    • 弱い市場セグメントの注視
    • 「リード市場」概念の利用
    • 新興市場に対するマーケティング戦略
  • 5.競争分析
  • 要約
第6章 グローバル市場参入戦略
  • 1.ターゲット市場の選択
  • 2.参入方法の選択
    • 参入方法の決定基準
    • 参入方法の選択:取引コストによる説明
  • 3.輸出
  • 4.ライセンシング
    • 利点
    • 注意点
  • 5.フランチャイジング
    • 利点
    • 注意点
  • 6.委託生産(アウトソーシング)
    • 利点
    • 注意点
  • 7.合弁事業による拡張
    • 利点
    • 問題点
    • 国際合弁事業の成功要因
  • 8.完全所有子会社による市場参入
    • 利点
    • 注意点
    • 買収と合併
    • 新規開拓事業
  • 9.戦略提携の創造
    • 戦略提携の類型
    • 戦略提携の論理
    • 国境を越えた提携の成功
  • 10.参入のタイミング
  • 11.退出戦略
    • 退出の理由
    • 退出のリスク
    • ガイドライン
  • 要約
  • 補論:国のスクリーニング手法
第7章 グローバル調達戦略
  • 1.グローバル調達戦略の広がりと複雑さ
  • 2.グローバル調達戦略におけるトレンド
    • トレンド1:調達における為替レート決定論の凋落
    • トレンド2:世界的な過剰生産能力に由来する新しい競争環境
    • トレンド3:国際取引インフラの革新と再構築
    • トレンド4:高まる購買マネジャーの役割
    • トレンド5:グローバル生産への流れ
  • 3.バリュー・チェーンと機能インタフェイス
    • R&D/生産のインタフェイス
    • 生産/マーケティングのインタフェイス
    • マーケティング/R&Dのインタフェイス
  • 4.購買:調達戦略の諸類型
    • 企業内調達
    • アウトソーシング
  • 5.グローバル調達の長期的影響
    • コア・コンピタンスの持続可能性と一過性
    • 仮想ネットワークの恩恵
  • 6.サービス活動のアウトソーシング
  • 要約
第8章 グローバル製品政策決定I:グローバル市場に向けた新製品開発
  • 1.グローバル製品戦略
    • 戦略的選択1:製品とコミュニケーションを拡張させる-2重拡張
    • 戦略的選択2:製品を拡張させ, コミュニケーションは現地適応させる
    • 戦略的選択3:製品は現地適応させ, コミュニケーションを拡張させる
    • 戦略的選択4:製品とコミュニケーションの現地適応-2重適応
    • 戦略的選択5:製品革新
  • 2.標準化とカスタマイゼーション
  • 3.国境を越えた製品普及


  • 4.グローバル市場に向けた新製品開発
    • 新製品アイデアの確認
    • スクリーニング
    • コンセプトのテスト
    • テストマーケティング
    • 参入のタイミング:滝戦略とスプリンクラー戦略
  • 5.真のグローバル革新
  • 要約
第9章 グローバル製品政策決定II:製品とサービスのマーケティング
  • 1.グローバル・ブランディング戦略
    • グローバル・ブランディング
    • 地域ブランディング
    • グローバルか, ローカルか?:ブランディングの場合
    • ブランド名の切り替え戦略
    • プライベート・レーベル・ブランディング(ストア・ブランド)
    • 傘ブランディング
    • ブランド名の保護
  • 2.国際的な製品ラインのマネジメント
  • 3.製品の海賊行為(著作権・特許権侵害)
    • 海賊行為に対抗する戦略的選択肢
  • 4.原産国に関する固定観念
    • 消費者への原産国の影響
    • 原産国の固定観念に対処する戦略
  • 5.サービスのグローバル・マーケティング
    • 世界で繰り広げられるサービス・マーケティングの挑戦
    • グローバル・サービス産業における機会
    • グローバル・サービス・マーケティング戦略
  • 要約
第10章 グローバル価格設定
  • 1.国外市場における価格設定の要因
    • 企業の目標
    • 企業のコスト
    • 顧客需要
    • 競争
    • 流通チャネル
    • 政府の政策
  • 2.価格エスカレーションのマネジメント
  • 3.インフレ環境における価格設定
  • 4.グローバル価格設定と通貨変動
    • 為替差益/差損の転嫁
    • 通貨の相場
  • 5.移転価格
    • 移転価格の決定要因
    • 移転価格の設定
    • 移転価格への税務調査のリスクの最小化
  • 6.グローバル価格設定と反ダンピング規則
  • 7.価格統一化
    • グローバル価格契約(GPC)
    • 地域的価格の調整
    • 価格統一化の実行
  • 8.カウンター・トレード
    • カウンター・トレードの形態
    • カウンター・トレードの背後にある動機
    • カウンター・トレードの欠点
  • 要約
第11章 世界の消費者とコミュニケーション
  • 1.グローバルな広告と文化
    • 言語の障壁
    • 他の文化の壁
  • 2.グローバルな広告予算
    • 売上げ比率法
    • 競争対応法
    • 目標-課業法
    • 資源配分
  • 3.クリエイティブ戦略
    • 標準化・適応化論争
    • 標準化のメリット
    • 標準化を阻む壁
    • 広告コピー創出の方法
  • 4.グローバルなメディア決定
    • メディア・インフラ
    • メディア利用の制約
    • グローバルなメディア展望:近年の発展
  • 5.広告規制
  • 6.広告代理店の選択
  • 7.国際的な広告の統一化
    • 金銭的インセンティブ(共同広告)
    • 広告マニュアル
    • 主導国コンセプト
    • グローバルまたは広域的な会議
  • 8.他のコミュニケーション方法
    • 販売促進
    • ダイレクト・マーケティング
    • イベントのスポンサーシップ
    • トレードショー
  • 9.グローバルに統合されたマーケティング・コミュニケーション(GIMC)
  • 要約
第12章 グローバル・ロジスティクスと流通
  • 1.グローバル・ロジスティクスの定義
  • 2.グローバル・ロジスティクスのマネジメント
    • 輸送方式
    • 倉庫業務と在庫管理
    • サード・パーティ・ロジスティクス(3PL)のマネジメント
  • 3.自由貿易ゾーン
  • 4.マキュイラドラ・オペレーション
  • 5.グローバル小売
    • 「プッシュ」対「プル」
    • オン・タイムの情報マネジメント
    • 世界における小売の違い
  • 要約

索引

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