序章 小売業から見るまちづくり
執筆 :石原武政(大阪市立大学 名誉教授)
- 1. 「まちづくり」の広がり
- 2. 小売業起点のまちづくり
- 3. 本書の構成
第I部 小売業起点のまちづくりの背景
第1章 商業まちづくりの系譜
執筆 :石原武政(大阪市立大学 名誉教授)
- 1. 小売業の「まちづくり」はハード系から始まった
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- 1-1. 「まちづくり」の誕生
- 1-2. 流通革命と商業近代化地域計画
- 1-3. コミュニティ・マート構想
- 1-4. 商店街内部からのまちづくりの機運
- 2. まちづくり支援策の拡充
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- 2-1. 小売業の構造変化と規制緩和の流れの中での新たな潮流
- 2-2. 空き店舗問題と所有と経営の分離
- 2-3. まちづくり三法の時代へ
- 3. ハード起点のまちづくりとソフト起点のまちづくり
第2章 商業まちづくりの背景
執筆 :石原武政(大阪市立大学 名誉教授)
- 1. 成長基調の終焉
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- 1-1. 人口減少と高齢化の進展
- 1-2. インフラ設備等の老朽化
- 2. 小売業は今
- 3. 高齢化社会における買い物弱者問題
- 4. 地域の支え合う力の再構築と小売業
第3章 まちづくりと行政の役割
執筆 :渡辺達朗(専修大学 商学部 教授)
- 1. まちづくりの制度的枠組み
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- 1-1. 地方分権時代のまちづくり
- 1-2. 都市計画とマスタープラン
- 1-3. マスタープランの具体例
- 2. 都市計画法による土地利用規制
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- 2-1. 都市計画区域の分類
- 2-2. 用途地域制
- 2-3. 大規模な商業施設の規制と誘導
- 3. まちづくりのための事業計画
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- 3-1. 地区計画とまちづくり協定
- 3-2. 地区計画の具体的事例
- 3-3. 中心市街地活性化の基本計画に基づく事業
- 3-4. 都市再生の立地適正化計画に基づく事業
- 3-5. 地方創生のための地域再生計画
- 4. 人口減少・少子超高齢社会のまちづくり
第II部 まちづくりの前提
第4章 都市を客観的に理解する
執筆 :石原武政(大阪市立大学 名誉教授)
足立基浩(和歌山大学 経済学部 教授)
- 1. 都市を客観的なデータで分析する
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- 1-1. 都市を分析するための指標
- 1-2. データを比較する
- 1-3. データを加工して指標をつくる
- 1-4. 類似都市と比較する
- 1-5. 主要なデータソース
- 2. 都市を財政構造から客観的にとらえる
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- 2-1. 国税と地方税
- 2-2. 自治体の財政支出と財政構造
- 2-3. 自治体の財政健全度
- 3. 都市の目指すべき方向を考える
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- 3-1. SWOT分析
- 3-2. 事業におけるリスク管理
- 3-3. 先進事例にどう学ぶか
第5章 まちの資源を確認する
執筆 :足立基浩(和歌山大学 経済学部 教授)
石原武政(大阪市立大学 名誉教授)
- 1. まちの資源を見つめ直す
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- 1-1. まちの資源の価値
- 1-2. ハードな資源
- 1-3. ソフトな資源
- 1-4. 資源の再発見―暗黙の価値―
- 2. 負の資源とその活用
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- 2-1. 商業地の空き店舗
- 2-2. リノベーションによる空き店舗の活用
- 2-3. 都市における空き空間の活用
- 3. 未来につながる資源
第6章 まちづくりの主体と事業を支える仕組み
執筆 :角谷嘉則(桃山学院大学 経済学部 准教授)
石原武政(大阪市立大学 名誉教授)
- 1. 商業地のまちづくりにおける主体の法人化
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- 1-1. 商店街組織の法人化と会社の設立
- 1-2. まちづくり会社の増加と第三セクターの活用
- 2. まちづくり会社の人材とタウンマネージャー
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- 2-1. TMOのタウンマネージャーとスタッフ
- 2-2. まちづくり会社におけるタウンマネージャーの役割
- 3. まちづくり会社の役割と資金
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- 3-1. まちづくり会社の役割と事業
- 3-2. まちづくり会社の資金繰り
- 4. 高松丸亀町商店街振興組合によるタウンマネジメント
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- 4-1. 商店街組織の計画とまちづくり会社という手段
- 4-2. 再開発事業の特徴
- 4-3. まちづくりの成果
- 4-4. 持続的なタウンマネジメントへの課題
第III部 まちづくりの現場から
第7章 安全・安心のまちづくり
執筆 :渡辺達朗(専修大学 商学部 教授)
- 1. 社会課題としての安全・安心
- 2. 防災・減災とまちづくり
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- 2-1. 防災と減災
- 2-2. 地域の事業者全般による取り組み
- 2-3. 商店街組織を中心とする取り組み
- 2-4. 震災対応に焦点を合わせた商店街の取り組み
- 2-5. 防火に焦点を合わせた商店街の取り組み
- 3. 防犯とまちづくり
- 4. 大手小売企業の取り組み
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- 1-1. 代表的な取り組み事例
- 1-2. 業界団体による取り組み
第8章 地域ニーズに応える商店街
執筆 :角谷嘉則(桃山学院大学 経済学部 准教授)
渡辺達朗(専修大学 商学部 教授)
新島裕基(専修大学 商学部 講師)
- 1. 「商いの場」と「公共の場」の両面性
- 2. 地域のニーズに対応して変化する商店街
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- 2-1. 地域の生活者ニーズへの対応
- 2-2. 発寒北商店街振興組合の事例
- 2-3. 岩村田本町商店街振興組合の事例
- 2-4. その他の事例
- 3. 地域の人びとと共に文化を担う商店街
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- 3-1. 地域コミュニティの行事とのつながり
- 3-2. 天神橋筋商店連合会の事例
- 4. アーティストやデザイナーと共存する商店街
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- 4-1. 商店街等のまちづくりとアート、デザインとのかかわり
- 4-2. 古民家等のリノベーションによるまちづくり
- 4-3. 浜松ゆりの木通り商店街の事例
- 5. 地域に根差したまちづくり
第9章 高齢者・子育て世代にやさしいまちづくり
執筆 :新島裕基(専修大学 商学部 講師)
渡辺達朗(専修大学 商学部 教授)
- 1. 社会環境の変化に対応したまちづくり
- 2. 高齢者にやさしいまちづくり
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- 2-1. 商業者による「医商連携」の取り組み
- 2-2. 医商連携の全国各地への広がり
- 2-3. 商店街組織主導型の買い物弱者問題への対応
- 2-4. チェーン小売企業主導型の取り組み
- 2-5. 住民組織・行政等主導の取り組み
- 3. 子育て世代にやさしいまちづく
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- 3-1. 子育て支援NPOによる商店街組織との連携
- 3-2. 商店街組織による子育て支援の展開
第10章 多様化する主体との連携
執筆 :渡辺達朗(専修大学 商学部 教授)
- 1. 商店街組織の弱体化
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- 1-1. 連携の進展
- 1-2. 増加する商店街組織の解散
- 1-3. 商店街組織の減少傾向
- 2. 外部機関との連携機運の高まり
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- 2-1. 法制度の整備
- 2-2. 2011年3.11より前の時期の連携状況
- 2-3. 連携の領域
- 3. 外部機関との連携による具体的取り組み
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- 3-1. 2011年3.11以降の連携課題
- 3-2. 帯広電信通り商店街振興組合(北海道帯広市)
- 3-3. ゆう壱番街商店街振興組合(滋賀県長浜市)
- 3-4. みやのかわ商店街振興組合(埼玉県秩父市)
- 3-5. 広島市中央部商店街振興組合連合会
- 4. 地域課題をめぐる連携の展望
第IV部 広がるまちづくり
第11章 観光とまちづくり
執筆 :上野美咲(和歌山大学 経済学部 特任助教(2017年10月現在))
石原武政(大阪市立大学 名誉教授)
- 1. 観光のタイプを分ける2つの軸
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- 1-1. 発地型観光と着地型観光
- 1-2. 通過型観光と滞在型観光
- 2. 観光資源の発掘を通したまちづくり
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- 2-1. 観光資源の発掘主体
- 2-2. まちなか観光と商店街
- 2-3. 長浜市の総合的観光誘致
- 2-4. 柏市のまち歩きマップ
- 3. 地域ブランドの構築とまちづくり
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- 3-1. 「地域ブランド」の2つの意味
- 3-2. フラノマルシェ(北海道富良野市)
- 3-3. 伊賀の里モクモク手づくりファーム(三重県伊賀市)
- 4. 理解と共感を求める観光
第12章 学生達のまちづくり
執筆 :足立基浩(和歌山大学 経済学部 教授)
石原武政(大阪市立大学 名誉教授)
渡辺達朗(専修大学 商学部 教授)
- 1. まちづくりへの学生の参加
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- 1-1. 若者を求めるまち
- 1-2. まちを求める若者
- 2. 大学生が主体となるまちづくり
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- 2-1. 多様なかかわり方
- 2-2. 和歌山大学の商店街カフェと地域連携
- 2-3. 建築系学生の取り組み例
- 3. 高校生が参加するまちづくり
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- 3-1. 高校生のまちづくり
- 3-2. 和歌山県紀の川市のKOKO塾
- 3-3. 宮崎県宮崎市の「高校生商店街」
- 3-4. 福井県鯖江市JK課
- 4. 多世代交流のまちづくり
終章 地域は総合の場
執筆 :石原武政(大阪市立大学 名誉教授)
- 1. 問題を広くとらえる
- 2. 合意形成と納得
- 3. 事業評価とPDCAサイクル